特区とはどういうものなのか

2.特区とはどういうものなのか

特区は前述の通り、正式には構造改革特別区域と呼ばれますが、これまで規制等の関係で事業化が困難であった事業を行うことができるよう地域を限定して特別に規制緩和するというものです。このような特区の制度が生まれるきっかけとなったのは、中国の経済特区が経済発展の呼び水となったことにあります。中国では1978年から始まった改革開放政策の一環として経済特区が設置され、そのことによって多数の外国企業が中国に進出することになり、工業・商業・金融業などが大きく発展しました。この中国での成功を受けて、インド・韓国・シンガポール・フィリピンなどの諸外国においても経済特区や保税区などが次々と設置されました。日本においても小泉内閣の構造改革政策の一環として、2003年4月1日に構造改革特別区域法が施行され、正式に国の制度として導入されることになりました。

“特区とはどういうものなのか” の続きを読む

芸予地域活性化の提言

1.芸予地域活性化の提言

①芸予地域の現状

 広島県と愛媛県にまたがる瀬戸内海西部に浮かぶ島々は、両県の旧国名である安芸と伊予から由来する芸予諸島と称され、親しまれてきました。かつては、その気候・風土を活かした造船、観光、柑橘類栽培の盛んな地域として知られていましたが、長引く造船不況や日本社会の高齢化に伴い、現在では衰退の一途をたどっています。

 芸予諸島の一角をなし、最も人口の栄えた広島県の旧因島市を例にとりますと、造船景気に沸いた1970年代初頭には4万5千人の人口を誇っていましたが、広島県尾道市と合併した2006年には2万7千人にまで減少し、現在もなお減少を続けています。この傾向は、他のどの島々にも共通する悩ましい問題となっています。

“芸予地域活性化の提言” の続きを読む